2010年9月13日月曜日

【後編】新たな挑戦

プールに明るい日差しが差し込んで、水に反射し、キラキラと輝いていた。子供の楽しい声は・・・以外に少ない。どちらかといえば、高齢者は体の不自由な方が多かった。
レッドドルフィンは元服前の名前「レシモ」
「りえちゃんをお願いします」、『よろしくお願いします』。りえちゃんの表情は固かった。先輩の見よう見まねで彼女の手をとった。両手にズシリと重さが伝わった。でも同時に言葉以外の何かが通じた気がした。『バタ足できる?』と尋ねると、返事に代わりにはにかんで少し笑った。受け入れてもらえるかもしれない。始めてみると、よく見ると足がうまく動いていない。階段を登るような足の動きが気になった。バタ足を止めて、プールサイドに座らせた。自分も横に座り、まずお手本を示してみる。『膝を伸ばして水を蹴るといいんだよ』。そうか膝をうまく動かせないんだ。すぐに理解できた。足は『できるだけ』に軌道修正して、ビート版を持ってきた。今度は手をビート版で浮かせ、彼女の横に立ち、お腹のあたりを下から支えた。バタ足も少し力強くなってきた。『すごい、飛行機みたい!りえちゃん飛んでいるみたいだね』。すると彼女が初めて笑ってくれた。声をだして「ふふふ」と笑った。そして楽しい時間はあっという間に過ぎたのだった。
やったぜ!レッドドルフィン号!
帰り道のペダルが軽くなった。

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